誕生以来、世界中の人々を魅了しつづけるデニムジーンズ。プライベートからビジネスまで様々なシーンで着用できる反面、以下のような疑問やお悩みを抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「ジーンズを洗うのNGって聞くけど、どうしてダメなの?」
「洗いたいけど色落ちや型崩れ、縮みが心配」
「ジーンズの正しい洗い方を知りたい」
「使用する洗剤は?ジーンズ専用の洗剤ってあるのかな」
「ノンウォッシュ(生デニム)を洗っても大丈夫?」
たしかに「ジーンズを洗うのはNG」と耳にすることがあり、不安に感じる方もいらっしゃると思います。
結論をお伝えすると、
ジーンズは正しく洗えば何も問題はありません。「洗濯NG」とは希少価値の高いジーンズ向けに発信されたもので、それがいつしか普段穿きジーンズまで同じ解釈に捉えられ、誤解されたまま広く伝わったのです。
とはいえ、ジーンズによって使用素材や生地の状態、加工などコンディションは様々。色落ちや型崩れなど不具合を起こすといけませんので正しい方法で洗い上げてください。
当記事ではジーンズのメンテナンスについて、以下を中心に解説いたします。
ジーンズは通常の洗濯方法に少し変化をくわえるだけなので、ポイントさえ押さえておけば簡単に洗えます。
清潔を保つことは、汚れの浸透や雑菌の繁殖から衣類をまもり長く愛用するための秘訣です。快適な穿きごこちをいつまでも感じられるよう、ジーンズの健康を大切にしましょう。
洗濯前|知っておくべき注意点
ジーンズを洗濯するにあたり、知っておくべき注意点がいくつかございます。色落ちや型崩れなど不具合を避けるためにも必ずチェックすることを心掛けてください。
それでは確認していきます。
洗濯表示をチェック
ジーンズは素材や染色、縫製、加工など生地によってコンディションは様々です。洗濯をはじめる前にパンツ裏面に縫い付けてある「洗濯表示」を確認しましょう。
洗濯表示で禁止されている方法で洗うと不具合のリスクが高まりますので、記載内容をもとに実行するようにしてください。ジーンズの仕様によっては洗濯機ではなく「手洗いのみ」の場合もあるので注意が必要です。
ジーンズに限らず、はじめて洗濯するアイテムは表示を確認することで不具合のリスクを軽減できます。
単独で洗う
デニム生地の染料は色移りしやすいので、他の衣類と一緒にせず単独で洗いましょう。とくに生デニムやワンウォッシュは色移りだけでなく色落ちや縮みも起こりやすいので、洗いはじめは「手洗い」するのがおすすめです。
おしゃれ着用洗剤を使用
通常の洗濯に使用する洗剤は、漂白剤や蛍光剤配合のモノが多く洗浄力が強力なため、生地を傷つけ色落ちすることがあります。パッケージの液性を確認のうえ「おしゃれ着用の中性洗剤」を使用してください。
以下にジーンズはもちろん、ニットやスカートなど様々なデリケート衣類に使用できる「おしゃれ着洗剤」をご紹介いたします。お気に入りの洋服を長く使いつづけるためにも常備しておくのがおすすめです。
ポイント | 植物由来や化粧品基準原料を主成分とする「COSMETIC DRY溶剤」をクリーニング師が開発 クリーニング店で洗濯するような「ドライマーク衣類」を家庭用洗濯機で簡単に水洗いできる 柿渋から抽出される「カキタンニン」が含まれ、部屋干し臭を抑制 美容液やクリームに使う「加水分解シルク」を配合し、しっとりした洗い上がりと肌触りを実現 ドラム式洗濯機にも対応 メーカー公式|商品情報ページ |
ポイント | ドラム式洗濯機も使用可 汗や皮脂をすっきり洗浄し、衣類の伸びやヨレを戻す 独自のダメージリペアで繊維の内側から補修(メーカー検証済) シワ予防や毛玉、縮み、色あせを防止 泡切れがスッキリするので、手洗いのすすぎが従来品よりもラク メーカー公式|アイテム別の洗い方 |
ポイント | キレイ修復洗浄でニット素材の首元や袖口などの「伸びやヨレをケア」 シルキータッチ成分と繊維保護成分が「繊維をコーティング」 洗濯シワや型崩れ、縮み、色あせ、毛玉などを予防しながら洗浄 制服やウォッシャブルスーツなどの「テカリや目立ちを抑える」 すすぎは1回なので、ダメージ予防につながる(手洗いは2回がおすすめ) メーカー公式|洗い方一覧 |
ポイント | 抗菌効果が生乾きのイヤなニオイを抑制し、部屋干しも安心 なめらかな洗い上げが繊維をまもり、縮みやシワを防止 柔軟剤がやさしくふんわり仕上げる 植物由来成分100%なので、デリケートな赤ちゃん服にもおすすめ メーカー公式|アイテム別の洗い方 |
ポイント | 洗浄成分だけでなく、洗浄助剤を配合することで汚れをしっかり落とす 汗や皮脂、ファンデーション、口紅など汚れ落ちの良さが特長 柔軟剤配合でふんわり仕上がり、静電気の発生を防ぐ 抗菌成分配合で雑菌の繁殖を防ぐ ブラウスは150枚、セーターは40枚、スラックスだと70本でクリーニングの手間と費用を削減 メーカー公式|お洗濯マニュアル |
乾燥機NG|脱水は短時間
乾燥機は高温熱を発するため、生地が傷み縮んでしまう恐れがあります。絶対に使用しないでください。また、長時間脱水も型崩れなど不具合の原因となりますので、脱水時間は「1分程度」に留めておきましょう。
ジーンズの乾燥は時間を要してしまいますが、機械に頼らない自然乾燥が安心です。
風通しのよい日陰に干す
ジーンズが直射日光を浴びつづけると色褪せや変色を起こすかもしれません。「風通しのよい日陰で干す」ようにしてください。室内干しの場合は扇風機を使用し乾燥時間を短縮させ、部屋干し臭から衣類をまもりましょう。
ジーンズの洗い方
ここからはジーンズの洗い方として2つの方法を解説していきます。使用されている素材や生地の状態をしっかり把握し、洗濯表示を確認のうえメンテナンスを開始してください。
それでは詳しく見ていきましょう。
洗濯機での洗い方
洗濯機を使用した方法です。前述した注意点を踏まえ、以下の手順で進めていきましょう。
- ボタンやジッパーは閉じ、裾をロールアップしている場合はもどす
- ジーンズを裏返しネットにいれる
- 弱水流でやさしく洗う
- 脱水が終わったら早めに干す
①:ボタンやジッパーは閉じ、裾をロールアップしている場合はもどす
ボタンやジッパーを開けたまま洗うと、金具まわりの生地劣化やジッパーが生地を擦るなど不具合の原因となります。洗濯中に生地を傷つけないよう閉じてから洗ってください。
また、裾をロールアップしたままだと十分な洗浄ができないだけでなく、その部分だけ色落ちやシワの原因になりかねません。裾はもどし埃やゴミを取り除いておきましょう。
②:ジーンズを裏返しネットにいれる
洗濯中に生地がこすれ色落ちするといけませんので、ジーンズは「裏返して洗濯ネット」に入れます。また、ネットのなかでジーンズが出来るだけ動かないよう、サイズに合わせて折り込むのが理想的です。
型崩れの防止にもなりますので、忘れず行うようにしてください。
③:弱水流でやさしく洗う
洗濯機の設定は弱水流のコースを選び、やさしく洗い上げていきます。「おしゃれ着コース」や「デリケートコース」が備わっていればそちらでOKです。脱水時間は1分を目安に短時間で行いましょう。
お湯は色落ちしやすくなりますので絶対に使用しないでください。
④:脱水が終わったら早めに干す
脱水が終わったらすぐに干しましょう。洗い終えた衣類を長時間放置すると菌の繁殖や色落ち、シワの原因になりますので早めに干すことが重要です。
干し方については後ほど「ジーンズの干し方」で解説しておりますので、そちらを参考になさってください。
手洗いでの洗い方
次は手洗いを解説します。こちらも注意点を確認しながら進めていきましょう。
手間や時間はかかりますが、不具合のリスクが少ないので安心して洗えます。
- 洗剤をうすめた「水」で洗う
- 10~15分つけ置き
- すすぎで洗剤を流しおとす
- 洗濯機で脱水し、早めに干す
①:洗剤をうすめた「水」で洗う
ジーンズが浸かる大きさの桶や洗面台に水をはり「おしゃれ着洗剤」を薄めます。こちらも洗濯機と同様に不具合を起こすといけませんので、お湯は使用しないでください。
手荒れや水の冷たさが辛いときは手袋を使い、ジーンズを裏返しやさしく洗います。
②:10~15分つけ置き
ジーンズに洗剤が浸透してきたら、ここで一旦つけ置きします。長時間の放置は色落ちや変色を起こすといけませんので、15分ぐらいを上限にしておきましょう。
つけ置きしていると水が濁ってくるので、汚れが浮き出てくるのを確認できます。
③:すすぎで洗剤を流しおとす
上限15分を目途に水が濁ってきたら、汚れた水を捨てすすぎ洗いを開始します。押し洗いを数回くり返し、衣類に染みこんだ洗剤をきれいに流しきりましょう。
押し洗いは強くこすったり揉んだりせず、やさしく洗い流します。
④:洗濯機で脱水し、早めに干す
洗剤を流しきったら、ジーンズを洗濯ネットに入れて1分程度の脱水をします。長時間の脱水を避け、終了したら風通しのよい日陰にすぐ干しましょう。干し方は「ジーンズの干し方」で解説しております。
以上で、手洗い洗濯は完了です。
注意が必要なジーンズ
ジーンズ生地の染色や加工によっては注意が必要なモノもあります。以下を参考に微調整を加えるなど、生地のコンディションに最適な方法でメンテナンスをしましょう。
- ノンウォッシュ(生デニム)
- 特殊加工(ダメージ・リメイクなど)
- ホワイトジーンズ
- カラーパンツ
ノンウォッシュ(生デニム)
未洗いジーンズは色落ちや縮みを起こす可能性があるので、初洗いから数回は手洗いをしましょう。生地に付着している糊がなくなり、柔らかくなってきたら洗濯機に切り替えてもよろしいかと思います。
特殊加工(ダメージ・リメイクなど)
特殊加工ジーンズは、穴やヒゲに不具合が生じるといけませんので手洗いがおすすめです。洗濯機を使用する場合は、加工箇所を内側に折りたたみネットに入れてください。
ホワイトジーンズ
ホワイトジーンズは他の衣類から色移りしないよう、単独で洗うか白色の衣類だけで洗うようにしてください。漂白剤配合洗剤を使用することで綺麗な仕上がりが期待できます。
カラーパンツ
カラーパンツは漂白剤や蛍光剤配合洗剤で洗うと変色を起こすかもしれませんので、洗剤の成分表をチェックしましょう。また、色移りしないよう単独洗いをおすすめします。
ジーンズの干し方
ジーンズの干し方について解説いたします。
洗濯による不具合の多くは「洗い方が原因」と思われている方も多いのではないでしょうか。間違いではありませんが、干し方や場所も注意しなければなりません。
例えば「縮みが起こりやすいのは干しているとき」です。衣類にとって最善の干し方は不具合の予防だけでなく、乾燥時間の短縮や防臭につながります。生地の鮮度を保つために干し方も配慮しながら洗濯を完了しましょう。
- 脱水後、カタチを整える
- 逆さにし筒状に干す
- 知っトク!乾燥効率UPは家事の節約
①:脱水後、カタチを整える
脱水が終了したらすぐに取り出し、裏返しのまま全体のカタチを整えます。シワを伸ばすときは強く引っ張るのではなく、上下左右にかるく伸ばす感覚で行いましょう。
この作業を迅速かつ丁寧に進めることで、型崩れ防止につながります。
②:逆さにし筒状に干す
カタチを整えたら、裏返しのまま「逆さ」に干します。「逆さ」は縮みのリスクを軽減でき、「筒状」は乾燥を早めるのです。逆さにせず、ウエストを上にする方もいらっしゃいますが、当記事では上記観点から逆さ干しを推奨しております。
知っトク!乾燥効率UPは家事の節約
洗濯モノを干すのに、以下のようなお悩みを抱える方が多いのではないでしょうか。
「ジメジメした季節は洗濯モノが乾きづらくて困る」
「室内干しをしたときの生乾き臭が気になる」
「洗濯モノを干すスペースに困っている」
こんなお悩みを改善してくれるのが、機能性にすぐれた「物干し」や「除湿乾燥機」です。
洗濯干しで忘れてはいけないのが「湿度を抑え風通し(空気の通り)を良くする」こと。ジメジメした空間、あるいはスペースがない場所に窮屈な干し方をすると、乾きが悪いだけでなくニオイまで残ってしまいます。
大切な衣類をカビやニオイから守るためにも「干す環境」に改善点がないか見直してみましょう。便利アイテムを上手く活用すれば、家事ストレスからも解放され日々の生活が豊かになります。ぜひこの機会にお試しください。
ジーンズ洗剤 & お手入れの豆知識
最後に知っておくと役立つ「お手入れの豆知識」をご紹介いたします。
老舗ジーンズブランドが手掛ける専用洗剤も紹介しておりますので、こちらもぜひチェックしてみてください。お気に入りジーンズをより上質に洗い上げられるので必見です。
- ジーンズ専用洗剤
- アイロンスチーム
- 部分洗い
- 外干し
ちょっとしたお手入れで洗濯回数を減らせば家事や光熱費の節約にもなります。紹介するメンテナンスによっては、ジーンズ以外にも有効なので衣類に合わせご活用ください。
ジーンズ専用洗剤
生地にやさしく、より上質な洗い上げを実現できるのが「ジーンズ専用洗剤」です。
国内屈指のジーンズブランドやクリーニングのプロが手掛ける洗剤は、生地を傷つけず安心安全。初洗いジーンズや高価なヴィンテージものを洗う際はとくにおすすめです。
以下にいくつか紹介しますので、お試しいただければと思います。
ポイント | 「海に流しても安全な製品」として、海洋警察庁より国際認定済 色落ちが気になるデニム素材やヴィンテージモデルにおすすめ 生地の皮脂汚れや不純物だけを取り除き、インディゴ染色を保つ ナノレベルの細かい汚れまで分解洗浄。つけ置き洗いで更なる洗浄力を期待できる 抗菌作用があり、食中毒菌や各種ウィルスの抑制に効果的 |
ポイント | レプリカジーンズの祖「STUDIO D’ARTISAN」が開発したジーンズ専用洗剤 生地にやさしい石けんを主原料とし、手肌はもちろん環境にも配慮されたエコ洗剤 漂白剤や柔軟剤、蛍光増白剤は未使用 生地の色味や風合いを残し、ニオイや汚れをしっかり落とす 石けんならではのソフトな仕上がりは、ジーンズ以外のコットン衣類にも最適 |
ポイント | 素材を自然な風合いに洗い上げ、洗いざらしの仕上がりを目指す 洗浄力を若干抑え、色落ちを防ぐ 水量30Lに洗剤30gを使用した場合、1本でおよそ27回洗える ドラム式洗濯機も使用可 |
ポイント | オーナーのフレディ・レックが開業したウォッシュサロンが起源 ランドリーグッズを販売しており、日本の水質に合ったアイテムも多数 天然由来の原料を中心に環境に配慮したモノづくりを行う デニム生地の色落ちを抑制しやさしく洗い上げる |
アイロンスチーム
アイロンスチームは消臭効果が期待できます。ニオイが気になるときは、ジーンズから少し離して蒸気を当てるのも良いでしょう。ただし、生地を傷めるといけませんので頻繁に長時間当てつづけるのはおやめください。
部分洗い
ジーンズについた汚れやシミは、布を使って拭きとることも可能です。
布に「おしゃれ着洗剤」をふくませ、衣類に浸透させるイメージで強く擦らずやさしく拭いていきます。汚れが浮いてきたら、水に濡らした別布で洗剤を丁寧に拭きとりましょう。
洗剤を拭きとったら、風通しのよい日陰に干して乾燥させます。
外干し
外干しは生地にダメージがないので、ニオイが気になるときにおすすめです。ジーンズを裏返し、風通しのよい日陰に干しましょう。夜帰宅したあと、一晩干しておくだけでニオイが消えることもあります。
ただし、雨や湿気が多いときは逆効果になるかもしれませんので、洗濯することでニオイを解消しましょう。
日本には世界トップクラスのジーンズを手掛けるブランドが数多く存在します。
そのクオリティの高さは、世界の名立たるハイブランドが生産を委託するほど。
国産の魅力にふれ、コーディネートや穿きごこちをさらに充実させましょう。
衣類の健康は長持ちの秘訣!清潔感も穿きこなそう
ジーンズの洗い方について解説いたしました。最後にポイントをまとめておきます。
- 洗濯表示をかならず確認し、素材や加工に最適な方法で洗う
- ボタンやジップを閉め、ロールアップしている場合はもどす
- ジーンズを裏返し洗濯ネットに入れる
- おしゃれ着洗剤でやさしく洗う
- 脱水は短時間|乾燥機はNG
- 風通しの良い日陰で逆さに干す
ジーンズは生地の状態を把握し適切な方法で洗えば、不具合なく簡単に洗えます。必ずしも毎回穿くたびに洗う必要はありませんが、汚れやニオイが気になるときは洗濯しましょう。
清潔感はおしゃれの基本です。
衣類の健康は長く愛用する秘訣でもありますので、定期的なメンテナンスをお忘れなく。